耐久性に優れたヒノキは、建築に適した樹種として世界中で活用されています。特にここ日本では、古来から寺社仏閣に欠かせない木材として愛用され、ヒノキが使われた建築物には法隆寺や薬師寺のように1000年以上の歴史を持つものもあります。
ヒノキが日本の建材として選ばれてきた理由は、長期間に渡ってその強度が維持される点や、抗菌性や防虫性にも優れている点が挙げられます。また、私たちにリラクゼーションと安心をもたらす芳香や上品な木目もヒノキの大きな魅力です。
『匠 乾太郎(たくみ かんたろう)』は、樹齢50〜60年の原木につき一本しか採れない芯持ち材としてヒノキの性能を最大限に引き出した、国産ヒノキの天然無垢材ブランドです。
院庄林業のヒノキ材が特別な理由は乾燥の工程にあります。
独自に開発された乾燥技術によって、一般的なヒノキ材よりも含水率を大幅に低下させることに成功しました。これによって、本来繊維の収縮率を分散させるために入れなくてはならない背割りをなくすことができます。木材の強度を低下させたり、経年によって歪みや亀裂の原因となる背割りは天然無垢材の欠点のひとつでしたが、院庄林業の『匠 乾太郎』はそれを克服し、これまで集成材でしか実現しなかった高い安定性を可能にしました。
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岡山県をはじめ、全国の原木市場から厳選されたヒノキの原木を購入し、製材工場に搬入します。
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「リングバーカー」と呼ばれる自動皮むき機で、鉛筆を削るように樹皮をそぎ落とします。
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熟練の職人が一本一本の木の性質を見て、四角い形状に切り出します。この段階ではまだ含水率が50〜80%あり、触れると弾力があります。
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乾燥庫に入れ、独自の乾燥スケジュールで徹底的に管理します。この時点で含水率が15%以下になり、出庫後は最低2週間養生することで、含水率が均一化されます。
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乾燥と養生を終えた木材はラフ材と呼ばれ、まだ表面がザラザラした状態です。これをモルダー加工で表面を平滑にし、規格寸法になります。モルダー仕上げされた木材には1本ごとにロットナンバーが印字され、産地から製造工程まですべてを辿ることが可能になります。
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マイクロ波含水計で含水率を、打音指揮強度測定器でヤング(強度)を測定します。測定したデータは集計機にて全数管理されます。さらにJAS格付け師によって目視選別を行い、合格したものにのみJASシールが貼られ、製品として出荷されます。
『匠 乾太郎』には必ずJASマークが付いています。私たちの品質への取り組みは、JAS(日本農林規格)の定める厳しい規格をクリアすることによって裏付けられています。
私たちのヒノキ材は、専用の機械で1本ごとに強度や含水率をチェックされ、さらに熟練したスタッフの目視による検査も経て、万全の体制で出荷されていきます。山から切り出されたヒノキが木材になって出荷されるまでにかかる時間はおよそ20日間。これは、品質を維持するために最低限必要な時間なのです。
また、これらの工程はすべて厳密に記録され、出荷された木材に印字されたロットナンバーから辿ることができます。品質に自身があるからこそ、私たちは木材のトレーサビリティにこだわります。
匠 乾太郎(たくみ かんたろう) | |||
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仕様 | 柱・土台 | ||
産地 | 日本(岡山県) | ||
幅・厚み | 105mm | 120mm | 135mm |
含水率 | SD15% | ||
強度 | E90 / E110 / E130 | ||
長さ | 3,000mm / 4,000mm / 6,000mm | ||
証明書 | 合法木材出荷証明書 | ||
カタログ |
135角ならびにE130は受注生産です。